大企業だけが利用できるようなアクセス、人的ネットワーク、リソースを起業家にも提供することは、アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)の取り組みの柱の一つです。私たちはすでに、この取り組みをさまざまな形で実践しています。人材チームは長年にわたり、テクノロジー業界の優秀な人材との関係を築いてきました。その人的ネットワークを生かして、投資先企業も優れたチームを編成できます。Go-To-Market(GTM)チームは、有力企業や大口顧客となり得る企業との関係を築き、イノベーションの最新動向について、的確な見通しや助言を提供しています。そのため、起業家もこうした企業との関係を構築できます。ニューメディア・チームは、インフルエンサーやエコシステムのパートナーと幅広く深いネットワークを築き、起業家やa16zの見解を発信しています。
15年前の創業以来、米国市場に重点を置いて、このような活動を進めてきました。しかし今では、それだけでは十分ではありません。テクノロジーの影響力はかつてないほど強まり、世界的な戦略的重要性も高まっています。そのため、投資先企業は以前よりも早い段階で海外市場への足掛かりを求めるようになり、実際に必要としています。海外事業を担う専任チームは拠点を設けるかなり以前から、着手するケースも少なくありません。
先日発表したa16zのグローバルな取り組みの一環として、投資先のグロース企業が、この新たな環境で成功できるよう支援していきます。米国で投資先企業の成長を支えてきた実績ある手法と、人的ネットワークを生かしたアプローチを、海外市場に合わせて展開します。また、a16z自身が事業運営を通じて培ってきた市場参入経験も生かします。多くの企業が陥りがちな案件ごとの場当たり的な対応ではなく、起業家が長期的な視点で計画的に海外展開を推進できるようサポートします。
国際事業に携わったことのある方ならご存じの通り、すべての市場に同じ手法が通用するわけではありません。英国のように参入が「容易」な市場もあれば、日本のように難しい市場もあります。私たちが優先するのは、起業家にとって重要な同盟国の市場でありながら、強力な人的ネットワークや独自のGTMネットワークがなければ参入が難しい市場です。今後は、世界展開を支援するため、次の地域に重点的に投資します。
- 日本と北アジア:日本、韓国、台湾は地政学上、米国にとって最も重要な同盟国です。いずれの市場でもAIへの需要が高く、防衛やロボティクスにも多額の投資が行われています。ただし、有力者とのネットワーク、信頼されるブランド力、現地の文化に合わせたGTM戦略がなければ、成功は容易ではありません。日本には新たにオフィスを開設する予定であり、韓国でも新オフィスの開設をすでに発表しています。
- 中東:中東では、経済の近代化と多角化が加速しており、a16zの投資先企業が手がけるテクノロジーへの大きなニーズがあります。
- 欧州:英国は多くのグロース企業にとって親しみのある市場ですが、それ他の欧州市場は、それぞれ文化、経済、商慣習の面で異なる特徴があります。起業家がこうした違いに対応し、自社のテクノロジーの普及を促進できるよう支援していきます。
- メキシコと中南米:この地域の多くの国では近代化が急速に進み、銀行・金融サービス、エネルギー・インフラ、政府関連サービスなどの分野で、レガシーシステムから新たな仕組みへと一気に移行する動きが見られます。そのため、a16zの投資する起業家の技術を導入したいとい機運が、官民双方で高まっています。
- 英語圏の市場:英語圏の市場では、グロースステージの企業が独力で順調に事業を展開できる場合が多くあります。将来的には、こうした市場でも事業支援のネットワークを整備していく予定ですが、当初の重点地域ではありません。
昨年入社して以来、私はa16zの力を肌で感じてきました。皆で成し遂げてきた成果に大きな可能性を感じています。このグローバルな使命を果たすため、新たにゼネラルパートナー兼グローバル・アフェアーズ責任者に就任したアン・ニューバーガー、ジェン・カーとグローバル・パートナーシップチーム、そして長年にわたってこの基盤を築いてきたGTMチームや人材チームと緊密に連携していきます。